数の不思議と計算の約束
とても有名なものなので、ご存知のかたも多いと思われます。
とはいえ、初めて見た人は「なんで~!?」と考えると思います。
たとえば、部活動もそうですが… ”3年間”でやれることってたかが知れています。
だから、どうしても、「計算の約束」を先に教え込んでしまう、とりあえず、それを覚えてもらってミスがないようにするといった無味乾燥な指導にもなりかねません。(分数の割り算はわる数の逆数の掛け算になおす、などは典型例ですね。ほかにも、比で内積の項=外積の項や円や台形の面積の求め方などなど)
しかし、本来的には、「数の不思議」→「なんで~!?」を常に出発点としたいものです。
さて、前置きが長くなりましたが、以下の数式とその変形を見てください。
・a=b 「ある二つの数が等しい」
・a^2=ab 「両辺にaをかけた」
・a^2ーb^2=ab-b^2 「両辺からb^2をひいた」
・(a+b)(aーb)=b(aーb) 「両辺を因数分解した」
・a+b=b 「両辺を(aーb)でわった」
・a+a=a 「bをaに置き換えた」
・2a=a 「左辺を計算した」
・2=1 「両辺をaでわった」
…いかがでしょうか。
途中でおかしいと気づけた人もいるでしょう。そうでなくても、最後の式はさすがに絶対におかしいと誰もが思うはず。
文字を用いており、等式の性質についてわかっている必要があるため、小学生にはちょっと何を言っているのかわからないかもしれません。また、因数分解という単元も学校で習うのは中3なので、中1,2の人も、習ってないからわかりません! っと言ってしまうかもしれません。
しかし、待ってください。ここで、気づいてほしいのは、式が矛盾したのが「なにかやってはいけないことをした」からだということです。そして、今回の「それ」自体は、実は小3ぐらいの子から知っていることなのです。
(これは余談ですが、この「通常、やってはいけないとされている計算」を自作のプリントで問題として生徒にかし、挙句の果てにそれに模範解答←もちろん間違い まで存在させている小学校教員が実在します。みなさん、学校だけに任せていては大変なことになりますよ)
さあ、考えてみてください。どこかで「計算の約束」を破っています。
そして、もし、これに自分で気づけたら…
「~してはいけない」と唐突に教えられるより、もっとずっときっと印象に残って、よりたくさんのことを覚えようという意欲も湧いてきませんか。
大人たちはよく、いろんなことに興味を持って、いろんなことを疑問に思おう! と子どもたちに語りかけます。
だからこそ、自分の頭を使って考える”キッカケ”づくりも私は大切にしたいと思っております。
長文読んでいただき、ありがとうございました。