親の力
2020.10.01
皆さん、こんにちは。
前回は、ビートたけしこと北野武さんの
お母さまである北野さきさんについて
書かせて頂きました。
科挙にもこんなエピソードが残っています。
科挙を突破した、ある高級官僚が居ました。
彼にも息子がいて、当然科挙の勉強をさせて居ました。
ところが、なかなか勉強しない。
それもそのはず、科挙を突破するには、
論語・孟子・易経・書経・詩経・礼記・左伝
の四書五経を読まなければいけません。
読むだけでなく、本文は丸暗記を強いられます。
これだけでも、ざっと43万字以上にはなります。
さらに、この数倍もの注釈書を読み、
本文の一部が出題された場合の
解答の仕方を学びます。
その他に、歴史の本・文学の本に目を通し、
文学の本に関していえば、自分で詩や文章を
作る稽古も必要です。
この勉強を小学一年生から始める訳ですが、
遊びたい盛りの小学生。
その息子も、当然遊びたがります。
そこで、その父親は、息子を木に縛り付けて
本を読ませたそうです。
対照的だったのは、その母親。
「そこまで勉強させるのは、可哀そうだ。」
と言って、父親が役所に出勤すると、
そっと息子の縄を解いてやったそうです。
息子は、後年、無事に科挙突破を成し遂げますが、
大人になってから感謝したのは、
母親に対してではなく、父親に対してだったそうです。
「あれだけ厳しくしてくれたから、今の自分がある」と。
「ビリギャル」も「下克上受験」も
あれは、親の勝利の物語なのです。